昨年2月にレポートしたZunowさんのWFK-95の後継機モデルWFK-95Xが登場しました。WFK-95Xはマイクロフォーサーズセンサーと超広角24mmの両方に対応したほか、光学系をリファインしたことで、周辺解像度がアップしています。さらに、AG-DVX200のFHDモードでの光学式手ブレ補正機構. OIS(Optical Image Stabilizer)使用時のケラレを解消しているそうです。標準付属品として72mmと67mmの2個のアダプターリング(ご使用の際はどちらかを必ずつける必要があります)とセットスクリュー用のドライバー、ポーチ、角形ラバーフードが付属しています。
72mmと67mmの2個のアダプターリングとセットスクリュー用のドライバー、ポーチ、角形ラバーフードが標準付属品となっています。
ワイコン自体の質量は520gで長さは約35mm、直径95mmというプロポーション。角形ラバーフード使用で127mmのフィルターを装着できるほか、マットボックスを使用して4x4の角形フィルターを使うこともできます。
前回はパナソニックさんの赤いカメラAG-DVX200と組み合わせてレポートしましたが、今回はパナソニックさんのAG-UX180に装着して試用してみました。このカメラのフィルター口径は67mmなので、67mmのアダプターリングをワイコンに装着します。一般的なアダプターリングはフィルターなどを装着するのと同じで、ねじ込むだけですがこれだとワイコンを外すときにアダプターリングがカメラ側に残ってしまって、ちょっとイラっとすることがありますが、このワイコンに付属のアダプターリングには固定用の小さなネジがあってワイコン側にきちんと固定できるようになっています。ただ、固定用のネジは非常に小さなネジなので、緩めすぎて外してしまい行方不明にならないように注意が必要ですね。専用のスクリュードライバーも付属していますので、別途ドライバーを購入する必要はありません。
付属のアダプターリングの固定ネジ。非常に小さなネジなので、無くさないようにしましょう。ちなみにこの固定ネジはフィルターネジに当たらないようになっているので、きつく締めてもフィルターのネジ山を痛めるようなことはありませんでした。
ワイコンなしのAG-UX180
ワイコンWFK-95Xと付属フードを装着したところ。ワイコン自体の質量は520gで長さは約35mmなので、常用ワイコンとしても良いと思います。
AG-UX180のワイド側は35mmカメラ換算でUHD/FHD時24.5mm、4K時24mmなので、0.8倍のWFK-95Xを装着すると20.3mmおよび19.2mmになります。かなりの広角になりますね。ショートズームレンズに匹敵するといってもいいかもしれません。AG-UX180のようにレンズ交換できないカメラでも超広角レンズを使った広い範囲の撮影ができます。もちろんズーム全域で使えるので常用することも可能です。では、早速撮影してみましょう。0.8倍ですが、かなりのワイド感がありますね。
ワイコン無しで撮影
ワイコンを装着して撮影
広角20mmというと歪曲が気になるところです。実際のところどの程度なんでしょうか。物理的に超広角レンズの場合歪曲と周辺光量の低下は避けられないと言われています。ただし周辺光量の低下は専用レンズの場合カメラ側で補正していることがありますので、最近のカメラではあまり気にならなくなっています。
ワイコン無しで撮影
ワイコンを装着して撮影
カメラレンズに装着するワイコンは口径が大きいこともありますが、ゴーストやフレアが発生してしまうことがあります。今回はあいにく晴天ではなかったのですが、逆光になるように撮影してみました。前回のワイコンのレビューの時と同様オリジナルのレンズと遜色ありませんでした。ゴーストやフレアはレンズ面の反射で発生することもありますが、レンズの周辺部分の反射で発生することもあります。最近のレンズは普通レンズコーティングが施されていますので、レンズの周囲での反射には要注意ですね。
ワイコン無しで撮影
ワイコンを装着して撮影
広角から望遠までフルレンジで使えるワイコンでは、広角時の描写に問題なくても望遠時に色にじみが発生してしまうことがよくあります。カメラレンズに対してワイコンを装着することで、光学性能が落ちてしまうんですね。それと二線ボケなどカメラ側で補正していることもありますが、ワイコン装着時のことまではカバーしてくれません。建物のエッジ部分や電線などを撮影するとよくわかる現象なので、高圧線を撮影してみました。これもワイコン無しと区別がつきません。ワイコン自体の光学性のはかなり優秀だと思います。
ワイコン無しで撮影
ワイコンを装着して撮影
ワイコン装着時の利点は画角が広くなるのはもちろんですが、最短撮影距離も短くすることができます。AG-UX180の最短撮影距離は約1mです。小型ビデオカメラでは、室内など引きの取れないところで撮影することも多いので、もう一歩寄りたいところです。WFK-95Xを装着すると65cmまで寄ることができるようになります。狭い室内などではありがたいですね。ちょうど梅が咲いていたので撮影してみました。
至近距離でワイコンを装着して撮影
WFK-95Xは72mmと67mmの2個のアダプターリングが付属していますので、今回使用したAG-UX180だけでなくAG-DVX200やAG-160A/130A、AJ-PX270、AG-UX90などにも装着可能です。4K解像度でも周辺まで解像度の低下もなく、フレアやゴーストも出ないので、常用してもいいですし、色々使いまわしすることができますね。