
【レビュー】 ビデキンちゃんが行く ~Zunow ワイドコンバーター WCX-100&WCX-200~

高解像度と小型・軽量を同時に達成した、新世代の高性能ワイドコンバージョンレンズです。適合ズーム比25倍以上で、ワイド端からテレ端まで澄みわたる画質を実現しました。
ニュース取材やドキュメンタリー番組、音楽イベントやスポーツモノ、バラエティ番組やドラマなんかにも小型ビデオカメラが使われているそうです。以前はメモリーの容量や記録スピードなどの問題もあって、一段下に見られがちでしたが、最近は編集フォーマットで記録できるのは半ば当たり前で、4K撮影に対応した小型ビデオカメラも発売されています。解像度だけでなく、感度なんかもすごく向上していて人が生活している環境ではライトなんかもなくても撮影できるようになってきました。人の生活空間ならばオールラウンドで撮影できそうですが、自分撮りや狭い室内なんかは苦手だったりします。このあたり、みなさんもよくご存知のことと思いますが、ズーム比はすごくても広角側が30mmを切るようなカメラはあまりありません。

さらに、最短撮影距離が意外と長くて寄れなかったりで、無敵ともいえる小型ビデオカメラなんですが、ウイークポイントがあるんですね。こういう場合は以前からワイドコンバーターレンズを装着していましたが、以前のようにカメラメーカーが周辺機器として用意しなくなってきて、サードパーティ製の製品の中から選ばざるを得ない状況になってきています。こうしたレンズを選択する上で注意したいのは、ズーム全域で使えないワイドコンバーターレンズがあったり、周辺がケラレれたり、倍率が規格通り出なかったりする製品があることです。業務用ビデオの業界ではワイドコンバーターレンズといえばズーム全域で使えるというのが常識ですが、業界外のメーカーの製品には注意したほうがいいかもしれません。おおむね、対応カメラが明記されている製品は安心ですが、装着レンズのフィルター径しか記述がない製品は、実際に装着してみないとわからないことが多いです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回ZunowのワイドコンバーターWCX-100&WCX-200がお店に来ましたので、こうしたことを踏まえたうえでチェックしてみましょう。いずれも光学系は同じで装着方式が異なるだけです。WCX-100はレンズのフィルターネジで装着するタイプでステップダウンリングで82mmまたは72mm径のレンズに装着することが可能です。

WCX-200の対応カメラは、ソニーPXW-X200、PMW-200、PMW-300K2、PMW-EX1、PMW-EX1R、PMW-EX3。角形ラバーフードとポーチはオプションです。

WCX-100はレンズのフィルターネジで装着するタイプでステップダウンリングで82mmまたは72mm径のレンズに装着することが可能です。WCX-200はバヨネットに装着になっていて、ソニーのEX1系カメラに対応します。

WCX-100は82mm-72mmのステップダウンリングが付属していてショルダータイプのカメラレンズにも対応可能です。
WCX-200はバヨネットに装着になっていて、ソニーの同系シリーズに対応します。いずれのレンズにも角形ラバーフードとポーチがオプションで用意されています。倍率は0.8倍で、25倍以上のズーム比のレンズにも対応とうたっていますので、25倍ズームのPXW-X160に装着してズーム全域での画質などを見てみました。


ちなみにPXW-X160はワイド端26mm(35mmフィルムカメラ換算)なので広角レンズに更にワイドコンバーターレンズを装着する感じとなり、ワイドコンバーターレンズとしては結構辛い組み合わせだと思います。35mmフィルムカメラ換算で20mmほどなので、画像的にもかなりのワイド感がありますね。周辺のケラレも見当たりません。
左がPXW-X160のワイド端26mm(35mmフィルムカメラ換算)で右がWCX-100を装着したところで20mm相当の画角。かなりのワイド感がありますね。

ワイコンなし ワイド端

ワイコン装着時 ワイド端
左はワイド端、右はテレ端の映像。ワイドコンバーターレンズを装着するとテレ側画質が悪くなることがありますが、ほとんど差はありませんでした。

ワイコン装着時 ワイド端

ワイコン装着時 テレ端
今度は室内での撮影です。いずれもワイド端で、左がワイコンなし、右がワイコン装着時の画面。

ワイコンなし ワイド端

ワイコン装着時 ワイド端
テレ端でも同じ条件で撮影してみました。左がワイコンなし、右がワイコン装着時の画面。

ワイコンなし テレ端

ワイコン装着時 テレ端
ワイドコンバーターレンズを装着するとテレ側画質が悪くなることがありますが、ほとんど差はありませんでした。テレ側が500mm程度あれば充分で、それよりワイドがほしい方なら装着したまま常用もアリだと思います。外観的にも一体感があってとって付けたような違和感も殆ど無くていい感じです。最短撮影距離は、WCX-100を装着するとマニュアルで50cmほどで、ワイド端ならもう少し寄っても大丈夫ですね。絞りによって被写界深度が違ってくるので明確な数字でなくて申し訳ありません。
ステップダウンリングが付属していてこれを外すと82mm径のレンズにも装着できます。肩載せタイプのカメラのレンズはたいてい82mmなので、こうしたレンズにも装着できます。

AG-AC160に装着

AG-HPX305 + XT17x4.5BRM-K14レンズに装着
お店にあったXT17x4.5BRM-K14では問題ありませんでしたが、レンズによってはケラれることもあるかもしれません。カメラを持ち込んで実際に試してみたい方、近日中に展示予定ですので事前に各店舗にご確認頂ければ対応させていただきますので、お声がけください。
取り回しも良くて機動力のある小型ビデオカメラですが、オールラウンドで使いこなすにはこうしたアイテムが必須です。どうしても寄って撮影したいとかビデオカメラでは不可能な広角撮影のためだけに使いづらいけどデジタル一眼で撮影するというカメラマンさんもいらっしゃいますが、WCX-100はそうした撮影の強い味方になってくれると思います。