
【レポート】 ビデキンちゃんが行く XDCAMメモリーカムコーダー PXW-FS5:Grab and Shootセミナー ~PXW-FS5&ソニー大判センサー製品タッチ&トライイベント~

発売前のソニーPXW-FS5が見られる・触れるというので東京・銀座のソニービルで開催されたGrab and Shootへ行ってきました。PXW-FS5を実際に使ったカメラマンさんのお話もお伺いできるとか。
4Kのカメラはソニーさん以外にも既にいくつか発売されていますが、PXW-FS5は価格的にも60万円台でEマウントを採用しているので、ソニーのデジタル一眼のレンズが使えるほか、記録メディアにSDメモリーカードを採用しているので、ランニングコストも良さそうです。画質的にも記録コーデックがXAVCなので期待できそうです。それでは早速8階の会場に行ってみましょう。


PXW-FS5だけではなく、F55やFS7、デジタル一眼のα7なんかもありました。最新の機材が並んでいると目移りしちゃいますね。交換レンズのほかライトやワイヤレスレシーバーといった周辺機器も準備されていました。ちなみにこのセミナー10月15、16日の午前午後の2回開催され、毎回100人の定員になっているんです。なので、会場両側に並べられたカメラもゆっくり見ることができます。説明員のスタッフの方も沢山いらっしゃいましたので、色々とお話をお伺いすることができました。


ちょっと見ほかのカメラと大きな違いがないように見えますが、よく見るとねじ穴がボディの上部にいくつもあいていて色々なアクセサリーを取り付けることができるようになっています。LCDモニターも取り外せるようになっていてボディに空いているネジ穴を使って色々なところに取り付けることができるようになっています。


ハンドルやグリップなんかも取り外し可能です。グリップは手にフィットする形状になっていて、ホールディングの感触はとっても良く、グリップを回転させることができるようになっているので、撮影アングルを選びません。

レンズは18-105mm F4(SELP18105G)が標準レンズとなっていますがデジタル一眼αシリーズ用のEマウントを採用しているので、各種交換レンズが使えます。デジタルシネマ的に使うのであれば最近発売になったDistagon T* FE 35mm F1.4 ZAなんかは、被写界深度の浅い撮影が可能なのでピッタリなのではないでしょうか。ワイドが必要な撮影ならばE 10-18mm F4 OSSやフィッシュアイコンバーターもありますので、レンズの選択の幅が広いというのもいいですね。

PXW-FS5は電子式可変NDフィルターを搭載していることも特徴となっています。なので、被写界深度を決め打ちして撮影できます。以前シネマ系のカメラマンさんから聞いた話ですが、現場ではF値を決めて撮影するのが一般的で光量の調節はNDフィルターでやるんですね。ビデオ的には明るすぎて絞り切れないからNDフィルターというイメージですが画作りに対する考え方が違うんですね。明るさが変わるたびにNDフィルターを差し替えなくても可変NDならばカメラ側で簡単にセットできます。こうなるとオートアイリスとして可変NDを使いたくなりますが、現状では対応していないそうで、将来的にファームアップで対応してくれるとありがたいですね。

PXW-FS5はフルHD画質で120fps/240fps撮影に対応していて、最大10倍のスーパースローモーション機能を搭載しています。セミナーのデモリールでは、BMXフリースタイルというかバイク(自転車)によるエクストリームスポーツの映像を披露していましたが、スケートボード場を自転車で走り回るシーンをバイクで並走して撮影したり自転車が飛び上がるシーンなど迫力のある映像でした。カメラが軽くて取り回しがしやすいということもあるんでしょうが、こうしたスポーツものではスローモーション機能は欠かせない映像表現ですね。
電子接点を持つマルチインターフェースシュー(MIシュー)により、ライトやワイヤレス受信機をケーブルレスで接続できます。RECトリガーに連動してライトの点灯が可能なほか、ワイヤレス受信機には電源の供給がカメラ側から行えるようになっています。

今回ゆっくりとカメラをいじれたので、メニューも見てみましょう。メニューボタンを押してジョグダイアルで操作というソニーのカメラに共通した操作性です。
カメラ自体の基準感度はISO3200ですが、それより高くも低くも設定でき、カメラのLHスイッチにアサインできるようになっています。

出力は3G-SDIとHDMIに対応しており、4K時にはHDにダウンコンして出力できます。3G-SDIからはダウンコンしたHD、HDMIからは4Kの出力が可能なので、別途レコーダーを接続しての4K収録もできますね。将来的にはSDIからRAW出力にも対応するそうです。

録画フォーマットはHDに関してはフルに対応していますが、4Kは24Pと30Pの2つで60Pや120Pには対応していません。記録したクリップはHDモードの時には4Kの再生はできないのでHDと4Kを混在した撮影をする場合は注意が必要です。


S-Logガンマ、S-Gamut色域に対応していてソニーが定義するS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineカラースペースにも対応しており、シネマ色域以上の領域をカバーした設定が可能です。ただし、2020ではないです。

2つのメモリースロットを装備していて同じフォーマットで同時記録、リレー記録に対応可能。バックアップ記録もできて片方は撮りっぱなしで片方はRECトリガーに連動した収録もできますので長時間記録に便利ですね。ちなみにスロットの片方はメモリーステック兼用スロットになっています。


シビアなフォーカス合わせには拡大表示が欠かせませんが×4倍や×8倍表示が設定できます。

スマートフォンによるリモートの設定です。あらかじめスマートフォンにモバイルアプリケーションContent Browser Mobile(無料)をインストールしておきます。これによりカメラ映像の確認や録画スタート・ストップなどモバイル端末からのカメラ操作ができるようになります。有線LANも装備していてストリーミングやファイル転送にも対応可能です。ネット配信とかに便利かと思います。

Content Browser Mobileをインストールしたスマホの画面表示です。縦と横では若干レイアウトが違うんですね。


Content BrowserやCatalyst Browseにより、収録した素材のメタデータの確認、編集のほかトランスコード機能やファイルインジェスト、メディアへのエクスポートなどにも対応しています。


会場ではMac版とWindows版が並んでいました。

ソニーさんはこの価格帯のカメラをいくつか発売していてそれぞれに特徴はあるんですが悩んじゃいますよね。どのように使うのかや手持ちのレンズや周辺機器などユーザーによって様々だと思います。お店では色々ご相談に乗れることもあるかと思いますので、お声がけください。
2015年11月発売予定となっていますが、お店に入荷しましたらご連絡しますね。
11月13日(金)11:00~17:00 大阪日本橋店にてお披露目会開催予定ですので、ぜひご来店ください。