
【レポート】 ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・三脚編~

カメラサポート関係では、三脚の新製品はあまりなく平和さんがRSをモデルチェンジしたのが新しいニュースです。最近は中国や台湾、韓国製などの三脚も質が良くなってきて老舗の三脚メーカーも差別化が難しい時代になってきたようです。また、以前流行ったゲージや小型ビデオカメラやデジタル一眼をショルダータイプにするといった製品も一時期の勢いはなくなって来ています。
最近の流れとしては、レールやドローン、ジンバルといった製品で、三脚でどっしり構えて撮影するというより動きや機動性を重視した方向へ向かっているようです。カメラが小型軽量になったことも関係があると思いますが、カメラアングルの自由度や手持ち撮影時での安定性などが求められてきた結果でもあると思います。カメラの性能が良くなって誰でもがそれなりに高画質な映像を撮影できるようになったいま、カメラアングルやカメラワークで勝負する時代になったということでしょうか。
平和精機工業さんは最近LIBEC ALLEXに力を入れていて、今回のRSシリーズのモデルチェンジもその一環と言えそうです。RSヘッドをビデオ・フォト両対応の「デュアルヘッド」化することで、ALLEXのスライダーと組み合わせて利用することが可能になったんです。要するにボールベースとフラットベース両対応になったんです。これにより、耐荷重が3kgのALLEXがその上のクラスのカメラ重量にも利用できるようになりました。平和さんは三脚をベースにしてスライダーやジブアームなど総合的にシステムとしてまとめていく方向のようです。

平和精機工業さんLIBEC ALLEX S12。レール長が120cmあるのとカメラ部分が3kg以上あるので、2本の三脚で保持しています。

ALLEXのシステムもレール長が3種類あるだけでなく、ヘッドも含めてより広いカメラ重量とカメラワークに対応できるようになりました。

RSシリーズがモデルチェンジされて新製品として出品されていたミッドスプレッダータイプのRS-250DM

マンフロットさんも11月からスライダーの発売を始めました。60cmと100cmの2種類があり、スライダー単体とヘッドの組み合わせでというラインナップです。平和さんと違ってオプション的な扱いでシステマチックな位置づけではないようです。ほかにもスライダーを扱っているメーカーもありましたので、いくつか見てみましょう。

11月20日発売の動画撮影用マンフロットさんスライダー60cm。写真用のヘッドと組み合わせたキット2種とビデオ用ヘッドと組み合わせたキット2種類をラインナップ。

マンフロットさんスライダー100cm。高精度ボールベアリング8個ありスムースな動きとなっており、レールとキャリッジの間の連結もシンプルで簡単に調整することができるそうです。スライダーのホイールは、高性能ポリマー製で滑らかで静かな動きを実現。

韓国のKONOVA社さんのスライダーですがMASTER PANというスムーズな移動が可能なオプションが組み合わせになっていました。

KONOVA社さんのスライダーはK1、K2、K3、K5のシリーズがあってK5は上位機種となっていて長さは60/80/100/120/150cmラインナップされています。

銀一扱いのSyrpGeinieさんのスライダー。丸パイプを採用しているところが他社とちょっと違うところですね。ベタ置き時用に足が付いています。タイムラプス・モーションコントローラーで移動をあらかじめプログラムすることが可能となっています。

台湾ACEBILさんのコンパクトスライダーS15。丸パイプを採用していますが、ちょっと機構がユニークです。スライダーパイプ自体も移動できるようになっていて、スライダー長の倍の移動が可能となってます。

ケンコープロフェショナルイメージングさんでは参考出品としてSmart System社のスライダーSmart SLIDER Refrex Sを展示していました。スライダー長は410、560、800mmで電動ユニットによるコントロールにも対応し、高精度な動きが可能だそうです。

ケンコープロフェショナルイメージングさんは中国のWenPodという会社のスタビライザーも新製品として出品していました。写真はGoPro用のGP1+というモデルでジョイスティックにより上下方向にカメラの向きを任意で変えることが可能です。

一眼レフカメラ用のMD2は3軸ジンバルです。写真では三脚に乗っていますが、手持ちでも撮影できるようになっています。グリップの赤いボタンスイッチで、カメラをコントロールできます。

ドローンで有名なDJIさんは、その派生で開発したジンバルを手持ち撮影用にリファインしたRonin-Mや手持ち撮影用としてOsmoを新製品として出展していました。こうした手持ちで撮影するカメラサポート以外にも数は少なくなりましたが、ステディカムやショルダータイプにして撮影するためのゲージなども健在です。

手持ち撮影用としてカメラとスタビライザーが一体になったDJIさんのOSMO。スマートフォンの画面で撮影中の映像をリアルタイムで確認することができるというのもいいですね。

操作しやすい位置にボタンとコントローラーが配置されているので、親指一つで素早く必要な調整を行うことができます。

SachtlerさんのAce Shoulder Rig。ほかにもステディカムタイプのartemisもありましたが、新製品ではないので、あまり派手な展示はしていませんでした。

三和映材さんはレンタル中心の会社なんですが販売もやっていてイージーリグ Vario5というユニークなカメラスタビライザーを出展していました。実際に体験できるということで、人気がありました。

銀一さんはステディカムさんのラインナップをずらりと並べていました。こうして改めて見るとかなりのラインナップがあるんですね。

最近のトレンドと思われるカメラスタビライザー中心に見てきましたが、いかがでしたでしょうか。カメラは不動という考え方から自由に動きまわるものに大きく変わって来たように思います。それもステディカムのようにバネとかスプリングといった機械的なものから電子制御のジンバルへとスタビライザーの機構も進化してきたようです。昔のカメラマンさんが体を張って技として体得してきたようなことがいとも簡単に実現できるようになったということなんでしょうか。