
【レポート】 ビデキンちゃんが行く~関西放送機器展~

6月28日と29日の2日間大阪南港 ATCホールで第2回 関西放送機器展が開催されました。第1回目が盛況だったという話を聞いていなのでさっそく見に行ってきました。
この機器展はInterBeeやAfterNABとちょっと違っていて主催者はテレビ大阪さんとこの会場の事業主体であるアジア太平洋トレードセンターなんですね。歴史のあるInterBeeにはおよびませんが、AeterNABよりははるかに出展社も多く昨年80社、今年90社で入場者数も昨年の3024人を上回る3492人に上ったそうです。おじさま曰くInterBeeも当初は民放連がイベントホールで開催していたのがスタートだそうなので、この機材展も将来大きくなって東のInterBee、西の 関西放送機器展になるといいですね。
では、会場にはいってみましょう。受け付けは基本Webからの事前受付になっていますが、当日登録ももちろんできるようになっています。ただ、多少並びますけどね。

2階の受付を済ませ1階へ降りてセミナー会場の前を通って会場に入ります。会場は明るくて各ブースも見やすい印象です。モニターがある展示会は会場の照明を落としているところが多くって、そうした中に明るく照明したスタジオが設えていたりするので、結構目が疲れます。まずは、会場を一周してみましょう。

会場内はこんな感じで、全体が明るく均一に照明されています。大きな音をガンガン鳴らしているブースもなく、落ち着いて見て回ることができます。

セミナーや基調講演はBホールとDホールの2か所で開催されていて、HDRやVRなどのほか、ローカル放送局や災害放送などの講演が行われていました。
4Kのカメラは各社から色んなタイプのものが出ていますが、8KはNHKさんが頑張っているだけでまだまだ先の話ってイメージだったんですが、主催者企画ということで、NHKのほか毎日放送さん、関西テレビさん、読売テレビさんなどの8Kコンテンツの上映が行われていて、その横には8Kのカメラやステージがあって8Kのカメラやレコーダーなどが並んでいました。こういうのを見てしまうと8Kの時代も意外と早いのかな、と思います。

各社の8Kコンテンツの上映のほか、その横のカメラコーナーでの撮影映像なども披露していました。

8Kカメラコーナーでは池上通信機のUHK-430やSHK-810が出展されていて、アストロデザインのコンバーターでHDMI×4に変換したものをモニターに出していました。
各社からデジタルシネマ用のレンズが発表され、今年はそうした各社のレンズが出そろった感じがします。デジタルシネマ用のレンズはスーパー35や35mmフルサイズのセンサーに対応しているほか、フォローフォーカスなどに対応していることが前提になっているようですが、ほかにもフォーカスやズーム操作を行ってもレンズの全長が変わらないとかフォーカスリングの回転角が広いとかいくつか要件があるようですが、この辺りはレンズによって違っていてそれが特徴となっているようです。元々はフィルムのシネカメラ用に作られたレンズが、デジタルシネカメラが多様化するにつれて価格や撮影スタイルに応じた製品が各社から出てきたということのようです。
そうした背景の中で、いままで写真用のカメラやレンズを作っていたシグマさんが単焦点レンズやズームレンズを10本も昨年から今年にかけて発表しています。このレンズのラインナップの光学系は同社のデジタルカメラで使われているレンズを基にしているそうで、外装とかをデジタルシネマ用のレンズにしたもので、そうしたベースがあったので、一気にラインナップをそろえることができたということです。同じようなコンセプトではトキナーさんが先行していますが、ラインアップ的にはシグマさんの方が数が多いですね。

シグマさんは昨年から今年にかけて単焦点レンズやズームレンズを10本も発表しています。T値の統一のほかフォーカス、ズーム、アイリスのリングの位置関係も統一されていて、レンズ交換してもフォローフォーカスなどリモート系の調節をしなくても済むそうです。シネスタイルでの撮影現場の状況をよく研究して商品化しているようですね。

トキナーさんのデジタルシネマ用レンズ。ケンコープロフェショナルイメージングさんの扱いでATXシリーズとVシリーズがあります。マクロレンズがラインナップにあるのは面白いですね。

ケンコープロフェショナルイメージングさんはVeydra Mini Primeシリーズというリーズナブルな価格のデジタルシネマ用レンズも扱っています。このレンズは主にミラーレス一眼を動画撮影に使うコンセプトとなっています。

こうしたデジタルシネマ用レンズはキヤノンさんやフジノンさんが先行していて、ハリウッドなど映画の本場でも以前から使われているそうです。もっとも劇場映画撮影を前提としたレンズは非常に高価でいまでは特殊な部類に入ると思います。映像作家さんが個人でそろえたりする場合シグマさんやトキナーさんのレンズということになりそうですね。 ほかにもアメリカのテレビドラマではフィルムカメラで撮影することも多くてそうした現場でもデジタルシネマカメラが普及しているんですが、カメラの小型化もあってENGスタイルで撮影することも多くなってきたようです。キヤノンさんやフジノンさんはこうした用途にむけたレンズを出しています。

キヤノンCN-E70-200mm T4.4。COMPACT-SERVOレンズシリーズの第2弾で、ドキュメンタリー制作や報道現場での撮影など、ズーム倍率が広く設計されていて、さまざまな撮影現場に対応できます。

フジノンZK4.7×19。放送番組制作を念頭に設計された標準ズームレンズで、ENGカメラで使われるようなグリップがあってテレビすたいるで使用することができます。
レンズ以外ではATOMOSさんがSUMOを国内初公開していました。SUMOはSHOGUN INFERNOを基に画面のサイズを19型の大きな画面にして、撮影現場でのフォーカス合わせなどを容易に行えるようにしたもので、ドラマやデジタルシネマでの現場での使用を主な用途にしているようです。このサイズなら現場で撮影カットのプレビューなんかにも使えますね。

19型と画面が大型なので、4Kでもピントの確認や収録クリップのプレビュー確認などが容易に行えそうです。ただし、パネルはHD解像度です。

AJAさんの4K対応レコーダーKi Pro Ultra Plus。HDなら4チャンネル同時収録も可能となっているのはユニークだと思います。収録コーデックも個別で設定できるので、なんか面白い使い方ができそうですね。
ひと回りして目についた機材をピックアップしてみましたが、そろそろ個別のブースをめぐってもう少し詳しく見ていきます。特にパナソニックさんがNABでお披露目した謎のカメラが発表になっていますし、キヤノンさんのC200も気になるカメラですので。