
【レポート】 ビデキンちゃんが行く~関西放送機器展・NAC編~

ナックさんは今回カメラアダプターやミキサーなど様々なビデオ機器を手掛けている日本ビデオシステムさんと台湾の三脚メーカーエースビルジャパンさんとの共同ブースでそれぞれが手掛ける機器を相互に使用した出展を行っていました。
ナックさんは三脚なども扱っているのですが、エースビルジャパンさんのスライダーや日本ビデオシステムさんのクレーンなどに新製品があったこともあり、新製品のCarl Zeissのコンパクトプライムレンズ Carl Zeiss CP.3XDやAngenieuxのズームレンズおよびARRIのLEDライトなどを中心とした出展を行っていました。
Carl Zeissのコンパクトプライムレンズは新しいレンズコーティングを採用することで光学性能の向上を図るとともにフォーカシングのスムースさを追求したモデルでCP.2のマイナーチェンジモデルといえると思います。同時にラインナップされたレンズとしてCP.3XDがありますが、こちらはCooke /i Technologyと互換性のある「ZEISS eXtended Data (ツァイス・エクステンデッド・データ)」の エンコーダーと接点を搭載することで、レンズ名やレンズ製造番号、開放絞り値、実絞り設定値、焦点距離、実撮影距離、フォーカス位置ごとの被写界深度、フォーカス位置ごとの湾曲収差補正データ、周辺減光補正データーなどのメタデータを対応するカメラへ送ることができる電気接点を搭載したモデルです。こうしたメタデーターは3DCGとの合成では必須となりますが、一般の撮影ではいままであまり重要視されてきませんでした。最近はカラーグレーディングやHDRを処理することが多くなりレンズの個体差のパラメーターをあらかじめ知ることで作業の効率化を図ることができることからレンズのメタデーターが必要になってきたことへの対応といえます。
Carl ZeissのCP.3は現在15mm/18mm/21mm/25mm/28mm/35mm/50mm/85mm/100mm/135mmの10本がラインナップされており、PL、EF、E、MFT、Fの5種類のマウントが用意されており、マウントの交換はユーザーが行えるようになっています。なお、メタデーターに対応したCP.3XDはPLマウントのみとなっています。

Carl Zeiss CP.3は10種類の焦点距離がラインナップされているが、今回の機材展では21mmと85mmおよび25mmCP.3XDの3本が用意されていました。

Carl Zeiss 25mmCP.3XDにはマウント部分にカメラとの電気接点が、レンズ鏡筒部分にはレモコネクターが装備されていて、レンズのメタデーターをAmbient社のMaster Lockit Plusにより無線送信できます。現在オンセットカラーグレーディングツールPomfort LiveGrade およびオンセットデータ管理ツールPomfort Silver Stackでメタデーターを利用できるそうです。

ZEISS eXtended Data対応のコンパクトプライムレンズCarl Zeiss CP.3XD 25mm

Carl Zeiss CP.3 21mmはPL、EF、E、MFT、Fの5種類のマウントが用意されています。これらのマウントはユーザー交換可能です。

Carl Zeissライトウェイトズームレンズ LWZ.3 21-100mm/T2.9-3.9 T*は使いやすい焦点距離を1本でカバーできる小型軽量ズームレンズです。PL、EF、E、MFTのマウントが用意されていてユーザー交換可能です。

Angenieux Type EZ-2 15-40mm F1.9/Tはコンパクトなズームレンズで、標準ズームType EZ-1 30-90/T2と同様後部のレンズエレメント交換によりフルサイズ対応にすることが可能なほか、PLやE、EFマウントに交換することができます。

AMIRAはソフトウェアパッケージがSUP5.0になり、デュアル6G-SDI出力による4K 60p出力やMulticam mode対応になりました。

調光および色温度の選択が可能なLEDフラットライトARRI Sky PanelにはS-60CとS-30Cの2つのサイズがあり、それぞれ燐光ソフトパネル型が用意されています。

ARRI Sky Panel S-60CとS-30Cは2800-10000Kまで無段階で色温度を可変できるほか、色相・色彩調節もできます。コントロールはDMX対応で、供給電源はDC48Vとなっており、会場では専用電源(バラスト)によりAC100Vでデモしていました。

日本ビデオシステムさんの4K対応光伝送システムNSシリーズは1本の光ファイバーケーブルでカメラの映像信号のほか、マイク音声、AES/EBUオーディオ信号、リターン信号、タリー信号、インターカム、カメラリモコン、ゲンロック信号、LANの長距離伝送ができるそうです。

最近あまりオーディオミキサーを見かけなくなりましたが日本ビデオシステムさんはしゃそんおPROTECH FS-405のほか各種アナログのオーディオミキサーを扱っています。

エースビルジャパンさんのコンパクトスライダーS15+PLUSです。写真のように三脚に搭載時は6kgですがべた置きでは15kgまで対応可能です。