
【レビュー】 ビデキンちゃんが行く~ODYSSEY7Q+~

今回はConvergent DesignさんのODYSSEY7Q+がお借りすることが出来たので、ビデキンちゃんがお試ししてみました。
メーカーさんの公式サイトでは
・7.7インチの大型ディスプレイ有機ELパネル採用
・低消費電力
・低発熱で、ファンなど騒音源を排除
・広い視野角170度
・フォーカスの山をつかみやすい1280×800高解像度
・優秀なコントラスト特性、真の黒表現
とありますのでこの辺りを中心にして、その他気になったことなどを試して行きたいと思います。
消費電力について。
消費電力は低消費電力で最大でも20W程度しか使用しません。コンセントから電源が取れず、バッテリーで使われる方も多いかと思います。その際に何度もバッテリーを交換するのも大変です。消費電力が少ないと何かと助かりますね。
充実のオプション
そして他のメーカーさんの純正オプションではあまり見かけない、Vマウントのバッテリー用のオプションも用意されています。駆動電圧は6.5V~34Vまで広範囲に対応していますので、Vマウントだけでなく、SONYさんのNP-F970/BP-UシリーズやCANONさんのBP-955・970・975 他にパナソニックさんやJVCさん用のバッテリーにも対応しています。
http://www.technohouse.co.jp/products_details.php#Odyssey7Q+
運用温度、電圧などのステータス表示が充実していることです。
これは収録中に熱暴走で止まった!電圧足りなくて電源落ちた!など突然の収録事故を防ぐ上で非常に有効ですね。このとても暑い時期に屋外で使用される方にはうれしい心遣いです。

また表示としてはその他に、SSDのSMART情報も確認OK
フォーマット回数、使用時間や電源ONの回数を表示することが出来ます。これを見ることによってメディア寿命の目安になるので安心です。

機体面について
機体については本体冷却のファンがないので静かな環境でも使用可能です。屋内のスタジオなどで使われる方が気にされる事が多いのですが本当に静かです。冷却ファンが無いので、その代わりに先ほどの運用温度が表示される機能があるのかも知れません。外筐は頑丈な金属製で、外装はファンの代りに放熱も兼ねているため結構熱くなります。

しかしながら、4K/60Pが記録できるこのあたりの機材(ATOMOSさんなどもですが)は、いくら放熱する仕様になっていても、猛暑日なんて日が続く最近なんかでは温度がとても上がりやすいので炎天下の使用にはご注意ください。
また本体右側面にはメンテナンス用USB、Mini-HDMI入力端子、リモートコントロール用ポートが備わっています。純正のリモコンでは録画のON/OFFをされたり、離れてODYSSEY7Q+を置く場合には必要不可欠な存在ですね。


本体左側面には操作ロックボタン、シャットダウンボタンが備わっています。ロックするのと間違えてシャットダウンボタンを押すことのないように気をつけてください(離れているのであまり無いかとは思いますが)

次に本体底面には電源入力コネクターと電源ボタンがあります。シャットダウンボタンと電源ボタンの違いは、ACから電源を供給すると同時に電源がONとなりますが、その状態でシャットダウンボタンを押すと次の起動からは底面の電源ボタンで起動してください。テレビの主電源とリモコンのON/OFFに似ていますが、電源ボタンの位置が分かりにくいので使い慣れるまでは迷うかも知れませんね。
その他6G-SDI入力端子、3G-SDI入力・出力端子、Mini-HDMI端子、LTC入出力端子、アナログ音声入力・出力端子 (3.5mm径ステレオミニ端子)がついています。

このHDMI端子はMiniタイプになっていて、HDMI入力とSDI入力1はどちらか1つを使う形になっていて両方の入力はできません。本体をリグやサポートロッドに固定するアームのネジ穴は1/4ネジになっています。ネジ穴は左右だけにしかないと、取り付けベースが大きいネジの場合はMini-HDMI端子やボタンに干渉する恐れがあるのでご注意ください。本体下面にはネジ穴が無いのでカメラの上に取り付けたいときやRONINなどに取り付けたいときに少し困ります。


モニターに関して。
有機ELモニターで3400:1のコントラスト比があります。バックライトがある液晶とは違い、自発光パネルなので黒色の再現がしっかりしていますね。また画面の視野角も広いです。 ただし、輝度はATOMOSさんのSHOGUN-INFERNOほどではありません。ちょっとした心遣いなのですが画面を裏返しにして置いても画面に傷が付かないようにサイドに出っ張りがあります。ただ置く場所が机の上のようにフラットでないと画面がぶつかるのでちょっと怖いです。


映像の管理機能も充実。
表示できる管理機能の一例としては、波形・フォルスカラー・ピーキングなどがあります。せっかくの大きい画面ですのでここで、カメラ側についていなくても波形やピーキングなど細かい確認ができるのは助かります。現在はまだ非搭載ですがベクトルスコープ機能はバージョンアップにて対応する予定があるそうです。




記録オプションが多いので注意。
ハイクラスのカメラのRAWを取り扱うためにはそのカメラ専用のライセンスキーを購入する必要があります。デモ機では入っていましたが、一部のモードは使用機材に必要なものだけ使用ライセンスを購入してくださいね。

HDモード、4カメまでの分割モニター機能。

さらに有償APOLLOオプションでHD時は最大4台のカメラと、画面上でスイッチングした映像との合計5系統録画に対応。各カメラの映像に加えて、スイッチャーのように選択したカメラの映像も同時に記録することが出来るのでスペースが無い場合助かりますね。

ただし通常の記録モードからAPOLLOモードに変更する場合など、特定のモードへ切り替えるには少し読み込み時間がかかります。


最後に、お使いのお客さまからお伺いしたのですが、ここまで出来るハイスペックの機材だからこそ、必ず推奨メディアを使わないと相性問題が出るそうです。HPに載っている推奨メディアでも動作が確認されている容量のみが対応しているようなので、たぶん使えるだろうは危険とのことです。
RAWの収録自体がまだまだどういうことだかさっぱりというイメージのビデキンちゃんでしたが、それを使いこなすにはメディアも動作環境も実践して学んでいくしかないなーと感じました。
デモ機が無いと出来るか出来ないかわからないこともとっても多かったので是非お借りできている間に試して行きたいと思います。

